2016年07月

2016年07月12日

檸檬ホテル:前夜

前の家
(写真は改装前の家)

2013
年。

経営会議合宿で鎌倉の古い家に泊まり、3年後どうなっていたい?
の問いに対して、衣食住の住、
3年以内にホテルをやろうと。

その冬、優秀社員研修旅行でgiraffeの中村裕子と当時新人の島崎さんとでNYへ行った。
朝からチョコレート専門店のマックスブレナーでホットチョコを飲んでいて。
我々、美術館やギャラリーに行ったり、古着屋や紅茶屋やそしてチョコレート屋に行き、どうやら何かを目指して行くような専門店好きだね、スープやネクタイのように。ならば、例えばホテルに専門店(的な要素)があったらどうだろうと。
Sou Stock Tokyoでいうと生口島の瀬戸田レモンなど専門性が高いから、じゃあレモンホテルってどう?瞬時にイメージ沸くよね。ハイヤットなんかより俄然泊まりたいよね!なんて話してた。

帰って松尾に話して、商標登録だけ取った。

Sou Stock Tokyoも当時企画書を当時のKFCの大河原社長にプレゼンしたら、先ず商標を取れ、と。

そして今年、越後妻有に続いて瀬戸内国際芸術祭で作品をやるとなったときに、この檸檬ホテルの商標とが空中でリンケージしたってわけさ。

ちなみに、昨年の越後妻有の作品を好評の内に終え、経営会議で振り返ったとき、Sou Stock Tokyo店舗社員から「作品もいいけど、その時間とお金があるならパートナーさんの時給を上げてあげたい」という意見が報告されて。

まさに、至極全うな意見である。

まさに正しいのだが、それを聞いた私は、年に一度のムラッとした感情と年に一度の自らの意志を発揮し「それは、届いていなかった、ということだね。では来年はもっとやろうッ」と低音で言った。

皆、静かに頷いてくれた。

今回の「檸檬ホテル」は、昨年の越後妻有の実行を糧にしたその上で、商標登録と、皆の静かなる頷きと、酒井啓介37才の人生プロジェクト、この3つによって実現した、世の中的には宇宙語のような、しかし実にスマイルズ的な、そんなプロジェクトなのである。

IMG_1578
そして、北川フラムさん、福武財団さんの大変寛容なご理解があって、これが現実のものになっていく。
作家としては、一昨年の市原アートミックス、昨年の越後妻有の経験だけである。
フラムさん側としても、われわれは食から入っていくものとして僅かな隙間に入り込めたと思っているが、われわれは、食を扱ってはいるが、食の業者としてではない。
食は内在し大事な特徴ではあるものの、むしろ切り離して、食入口ではないあくまで新たな作家としての立ち位置を示したかった。

その後、豊島へ導いて頂き、何度も色々な物件を見て回り、色々な方をご紹介して頂き、何とか形になっていく。。



Permalink│clip!