2017年05月
2017年05月08日
関越交通渋川支社峰岸氏の場合
GWに平田晃久氏の新しい建築である太田市美術館・図書館に行ってきた。
「人々は街からやってきて、ここを通り、また街へ帰っていく。そんな街の結び目のような建物」
まさにそのような建物である。
スロープで全てがつながっている、表も裏も専有も共有もないような、でもどこにも溜りがあって、
そこに身を潜めたりできる。
とてもオープンなのに、何か発見や出会いが潜んでいそうで、街の人はきっとまた訪れ通過する。
何だか入口で靴を脱いで中を徘徊していたような事後感覚あり。
この日は「新建築」での平田さんと青木淳氏と乾久美子さんとの対談の日でありました。
平田さんありがとう。
平田さんから「すごい鰻屋がある」と聞いて行ったら、想像を優に超える体験となった。
GWの14:30。
入店したら、大将がお客さんと昼からビール飲んでる!!
「おい!ここ座れ」
で、一緒に着卓。
「おい、娘!2階からビールもってこい!」
(後に、この娘という人も、太田市出身ながら本日初来店と判明)
表に出て、やおら鰻を捌きだす。
内臓をポイと放ると、猫が待ち構えていて、ながーい内臓を端からムシャムシャ食べている。
すごい光景である。
そして、生の鰻。。
串打ちとか蒸しとかない。
そして七輪にはビニールに入ったピンクの固形液体?燃料をぶち込む。。
これを直に焼くのだが、、
これがマジで旨い旨い旨い!!
素晴らしい。
大将は3代目かな、、井戸水からして違う、、こんなうなぎは東京では絶対喰えない、と。
御意!
その後、任侠系の親分さんが訪れ、われわれに上等のお肉を沢山食えくえとご馳走になり。
さっきの娘が酔って悲しい過去の話で涙すれば親分さんももらい泣き。
実にやさしいチャーミングな親分さんで。
その後みんなでカラオケへ。ご馳走になりました!オス!
一人旅はこれがあるからおもしろい。
別日。
渋川のハラミュージアムアークへ。
磯崎新の建築が素晴らしい。
突きあたりの長廊下の存在がすごい。
本来事務所や所蔵庫棟などは裏に回りそうだが、その面積のボリュームを活かして、
この長廊下がある。
建築とは湧き出る感動を内在させる装置だと再確認。
で、渋川から伊香保温泉に向かったこの関越交通バス。
乗合バスなのだが、この運転手さん、どの旅館はどのバス停がいいとか、観光案内とか歴史とか、
そしてそのアナウンスにちょいちょい駄洒落を挿入してくる!
あくまで真面目な声色のまま
「伊香保は温泉饅頭が有名で。カップルの方は、相手にあ〜ん(餡)なんて。
でも饅頭喉に詰まらせて、暗殺(餡殺)なんてことにならないように」
めっちゃ笑った。
計4回バスに乗ったがそのうち2回がこの峰岸さん。
他の2回は全然全く普通。
「急な坂道なので、キャスター付の荷物をお持ちの方はしっかりとお持ちになられて。
ご自身も転がりやすい方はご注意を」
「お客さんとちらからですか?」
で、どちらと言われても、東京から、、、というと、東京のどこから?と。
なんと峰岸さんは東京で何度も引越しされてちゃんと詳しい。
日立で半導体を扱う仕事を20年やって郷里の渋川に戻ってきたと。
このアナウンスのこと、会社に了解取ったり、同僚もご存知?と聞くと、
薄々知ってそうだか、勝手にやっている。
「だって旅は非日常を味わいにいくでしょう?だから、ちょっとでも楽しんで
伊香保を好きになってもらえれば。
だから、地元のお客さんのときは話さずに、観光のお客さまと思ったときに話します」と。
本当に最高だと思った。
少なくとも私は数ヶ月ぶりにブログを書くことになったww
峰岸さんのその気持ちと、それを実行に移すことがすごい。
だって、怪訝に思う人だって絶対に存在するだろうし、それを思うとやっぱりやめて
おこうか、と普通はなる。
やはり「やる」こと自身に意味がある。
そもそも、当の峰岸さん自身が楽しそうである。
家で一人でノートを手に晩酌しながら、季節に応じて今度は何を話そうか、
なんてメモしているとしたら、最高だ。
峰岸さんは、絶対他の人よりも長生きすると思う。
楽しい人生を送っている分、長生きすると思う。
そして、現にこうやって、人に旅の思い出をしっかりと送り届けている。
仕事で不安や疑問を感じたとき、峰岸さんを思い出して、声に出して言ってみよう。
「餡〜ん!なんて」
きっと、前向きな勇気がやってくる。
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